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1.杉坂峠 〜中世までの播磨・美作国境〜
出雲街道における播磨国と美作国の国境は、万能峠(萬ノ乢)で、現在でも(兵庫県から来た場合)国道179号もJR姫新線も万能峠を越えて土居に入ります。
しかし、万能峠が国境のメインルートとして整備され、利用されるようになったのは江戸時代に津山藩が街道と土居宿を整備した後のことです。

中世まで主として利用されてきたのは、その3kmほど北にある杉坂峠を越えるルートでした。現在の道路では県道321号がその道筋を踏襲しており、上月や土居を経由せずに、佐用と江見の間をやや短い距離で結んでいます。距離が短いだけに、中国自動車道が通っているのも概ねこのルートで、県境のトンネルも「杉坂トンネル」という名前です。

杉坂峠と言えば、何と言っても「太平記」にも描かれた後醍醐天皇と児島高徳の伝説の地として知られており、現在でも「杉坂史跡」として顕彰碑が立てられています。その他にも佐用市街の1kmほど西には「法然上人御腰掛石」もあり、中世に利用されてきた道筋であることが感じられます。

県道321号は交通量も少なく、のびやかな里山の風景の中を歩き、緩やかな坂道で峠を越えるという、いかにも出雲街道らしい道なので、歩くのにも適した道と言うことができます。

法然上人御腰掛石

県道の県境

杉坂史跡の碑

沿道の道標
平成31年(2019年)1月6日 Facebookページに掲載
2.久世の脇街道 >>
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