当サイトの「出雲街道の道のり」は概ね江戸時代の出雲街道の道筋を辿っていますが、一部、意図的に旧街道の道筋を避けて、違うルートをご紹介しているところがあります。佐用町の旧三日月町と旧南光町の境となっている卯ノ山峠もその一つです。
あえて違うルートを推奨している理由としては、卯ノ山峠の国道には歩道がなく、峠道に史跡もほとんど見当たらないためで、ウォーキングとして楽しい道とするために、志文川堤防の桜並木や宝蔵寺地区のひまわり畑を迂回ルートとしてご紹介しています。
卯ノ山峠の国道は先述のように見どころも歩道もありませんが、旧三日月町側では天保時代の六地蔵や朽ち果てた旧大広小学校の校舎が見られます。峠を越えて旧南光町に入れば、やはりひまわり畑のある林崎地区を経て、太田井橋で千種川を渡って、徳久の街へ入っていきます。
このルートのポイントはこの太田井橋周辺にあります。旧街道としての因幡街道は現在の県道547号のルートなので、出雲街道と因幡街道の分岐点はこの付近となります。また、千種川に沿った古道とも交差するため、太田井橋交差点から県道53号に入って少し上流側に立ち寄ってみれば、県道547号との交差点付近およびさらにその400mほど上に道標が見られます。
現地ではこれらの道標が道路や水路の改良で撤去されそうになった際に、近くの住民が自宅の脇に残してくださったという話もお伺いしました。ぜひ、こういった当サイトでご紹介できていない古道の史跡もご覧いただければ幸いです。 |