姫路から来た因幡街道と出雲街道は佐用町内で分岐します。その後の最初の宿場町は出雲街道では佐用宿、因幡街道では今回ご紹介する平福宿です。
平福の町は元々江戸時代初頭に利神城の城下町として池田氏により整備されたと言われています。その利神城は一国一城令によりまもなく破壊されることになりますが、現在遠くから見ても城跡だと一目でわかるほどの威容を誇る城で、平成29年(2017年)、国指定史跡にもなりました。
城下町ではなくなった後も国境に近い要所によく整備された街があったため、陣屋町、そして因幡街道の宿場町として発展を続けることになりました。そして、現在でも兵庫県内の因幡街道や出雲街道では間違いなくナンバーワンと言える古い街並みが残されています。
とりわけ、佐用川の左岸から見て家並や土蔵群が川面に映る風景、晩秋の朝霧の中の街並みの風景など、単に古い街並みが残る場所というだけでなく、平福にしかない美しい風景が見られるのが大きな魅力となっています。
近年では観光地としても注目を集め、街並みを生かしたまちづくりも進んでおり、案内板や案内マップも制作されて散策も楽しみやすいようになっています。佐用駅から智頭線で一駅、平福駅から街並みもすぐ近くという訪れやすさも「ちょっと寄道」という観光に最適な場所です。 |