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3.広瀬清水街道(安来市)
出雲街道は古代から続く山陰への「幹線」。幹線にはいくつかの「支線」が付き物ですが、出雲国における代表的な支線が「広瀬清水街道」で、安来市東部の門生で出雲街道・山陰道から分岐し、清水寺の近くを通って広瀬まで続いています。清水寺への参詣の道、あるいは広瀬藩の参勤交代の道として盛んに利用されてきました。

ルートとしてはやはり昔の街道らしく直線的に門生と広瀬を結んでおり、清水寺のすぐ南で清水峠を越え、あとは能義平野の平坦な道を進んでいきます。終点の広瀬は広瀬藩があったことよりも、むしろ山陰を代表する戦国大名の尼子氏の根拠地として有名で、全国屈指の規模を誇る山城の月山富田城跡は日本100名城にも選ばれており、戦国時代の史跡が多数あります。

山道を歩く清水峠、冬場は白鳥の越冬地の南限となる能義平野、所々で遠くに見える大山と、中海宍道湖都市圏の平野部でありながらも自然を満喫できる古道で、現在では全線が安来市内で完結する約20kmというコンパクトな距離も1日のウォーキングコースとして最適です。

そして何より特筆すべきなのが、ほぼ全線が歩く道としてよく整備されていることで、行政がきちんと整備したという雰囲気の看板、それを補完するように地元有志の方々が整備したと思われる案内板が共存しています。古道を歩く人にとって非常に歩きやすい状況になっていることはもちろん、古道を観光資源として活かそうという思いを持つ人にとっても良き先行事例として、ぜひ現地を見ていただきたい街道です。

清水経由で広瀬へ向かう古道

見事な地蔵の立像

清水峠

手作り道標で山道も安心

能義平野に出た宇賀荘の集落
平成31年(2019年)3月3日 Facebookページに掲載
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