神々の国、出雲では神話伝説の地がたくさんあります。中でも有名な伊邪那岐命と伊邪那美命の国生み神話の舞台である黄泉比良坂は、出雲街道も通る東出雲町下意東地区と揖屋地区の境にあり、揖夜神社から約1kmと、容易に立ち寄ることができる場所にあります。
現在ではちょっとした観光地として整備され、神話伝説の大岩の付近には駐車場といくつかの案内板が整備されています。そこから始まる伊賦夜坂は300mほどの距離の短い山道で、約5分ほどで通り抜けることができます。しかし、駐車場のところの大岩に加え、坂の頂上には通行する人々が無数の石を積んだ塞の神もあり、雰囲気のある坂道です。
神話は創作であり、そのゆかりの場所も後世の人が決めたことではあるのですが、そのような神話になって語られるような歴史はきっとあるはずで、この黄泉比良坂はそんな神話と地域の歴史の関係を考えさせてくれる場所です。
近年では映画のロケ地ともなり、「逢いたい人にもう一度逢える」パワースポットとしても注目を集めています。「天国(黄泉の国)への手紙」を入れるポストが設置されたり、神話に登場する桃の木が植えられたりするなどの取り組みも進められ、地元のガイドによる定時ガイドツアーも行われるなど、神話を活かした地域おこし活動が盛り上がっていることもあり、松江市の旧東出雲町域を代表する観光スポットとして人気も上昇中です。 |