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14.日野町乢根の道標地蔵
前回の連載で地蔵信仰の盛んな伯耆国(鳥取県西部)においては道標地蔵が多いということは前回の連載でご紹介しました。その傾向は大山道だけでなく、出雲街道でも同様です。

美作国から四十曲峠を越えて伯耆国に入ると、四十曲峠という名の由来にもなった九十九折れの山道を下っていきます。その古道が現在の国道に合流する寸前に地蔵があり、その地蔵には『左 上方 右 備中』と刻まれています。左はもちろん出雲街道の道筋であり、古道がほぼそのまま残った場所にある貴重な史跡ですが、一方、右にも備中国への道が示されていることが注目されます。

現在、乢根の集落は消滅してしまっていますが、この備中方面への道は県道112号として健在で、県境に近いこの場所は三方向の道の結節点となっています。県道112号を南下していくとその先にあるのは後醍醐天皇ゆかりの伝承を数多く残した大佐大井野地区。後醍醐天皇が隠岐配流の際に通られたルートであるとも考えられ、かなり山深い場所であるといっても古道のネットワークはかなり密なものであったということがわかります。

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令和2年(2020年)12月7日 Facebookページに掲載
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