街道の分岐点は「追分」と呼ばれます。それが地名となっている例は全国に多数あり、出雲街道でも兵庫県たつの市と岡山県真庭市に「追分」という地名があり、双方とも旧街道の分岐点にふさわしく立派な道標が立っているのが共通点です。
さて、前者のたつの市の追分の道標は、姫路方面から追分峠を下ってきて、追分の集落の出口で旧道が二股に分かれる場所に立っています。
ここは因幡街道と出雲街道の分岐点であり、『左 作州 雲州 道』『右 因州 伯州 道』と刻まれています。因幡街道側は『林田』『安志』『山崎』、出雲街道側は『東觜崎』『千本』『三ヶ月』と比較的近い町への距離も下部に記されていて、情報の多い親切な道標です。ちなみに姫路方面から来ると目に留まらない裏側の面は『神戸大阪道』で、同様に『飾西』『姫路』への距離が表示されています。
近くにある追分交差点は国道29号(因幡街道)から県道724号(出雲街道)が分岐し、「追分」の役割は今も健在です。
明治19年(1886年)の道標です。
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