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7.万能峠から土居へ
●万能峠の峠道(美作側)
美作側の峠道はきれいに草が刈られ、とても歩きやすいです。峠近くには田畑もなく、今や史跡散策以外に用途もないと思われるので、草木に埋もれてしまっていても仕方のないような道ですが、ここまできれいにしてくださっているのは「出雲街道土居宿を後世にのこす会」の皆様方のおかげで、ただただ感謝するばかりです。

2001.美しい峠道を下る
●梅香塚
土居宿まで下っていく山道の途中、少しだけ南側に土居の俳人が松尾芭蕉の百回忌を記念して建てたという「梅香塚」もあります。そして平成30年(2018年)には数種の梅がその周りを取り囲むように植樹されました。大きく育つにはまだ年月を要しますが、将来的には歴史ある出雲街道の美しい峠道の途中に、歴史にちなんだ梅の名所ができあがることになります。

2002.梅香塚

2003.梅が植えられました
>拡大画像 梅香塚の案内板
美作側の山道は一貫して美しく整備された状態が続き、遮断機も警報機もないずい道西口踏切で姫新線を渡ります。踏切を渡れば細いながらも舗装された道に戻って土居小学校の方へ下っていきますが、道沿いに古い墓石群などがあり、旧街道らしさは続きます。

2004.明るくなると土居宿は近い

2005.ずい道西口踏切

2006.土居小学校へ下る

2007.古い墓石群
>拡大画像 出雲街道を保存するための「お願い」
土居小学校の手前、姫新線の線路沿いには「四つ塚」があり、幕末にこの地で誤解によりトラブルを起こし、亡くなった四人の尊王の志士を祀る立派な墓が立てられています。さらに平成30年(2018年)には「出雲街道土居宿四百年」「姫新線全通八十年」の記念碑も加わりました。佐用からここまでご紹介してきた萬ノ乢経由の出雲街道ルートは江戸時代初期に整備されたもので、それまでは現在の中国自動車道や県道365号に近い杉坂峠経由のルートが利用されてきました。また、姫新線については兵庫県と岡山県の県境の区間(佐用〜美作江見)の開通をもって昭和11年(1936年)に全通しています。県境の鉄道建設に際しては明治末期にまず旧街道や姫新線よりやや北側に現在の国道にあたる道路を建設し、地図を見ても国道ルートより自然な形に見える旧街道ルートを鉄道に譲る形とし、記念碑にも記されているように美作市東部の有力者が私財を投げうった苦労の末の開通だったと言われています。いずれにしても国境の交通の町らしい歴史のエピソードです。

2008.四つ塚

2009.新しい記念碑
>拡大画像 四つ塚の案内板
>拡大画像 出雲街道土居宿四百年 姫新線全通八十年記念碑の案内板
土居小学校まで出れば、「出雲街道土居宿跡案内図」の大看板があり、県道46号に合流します。土居宿をバイパスする国道をくぐると土居宿東惣門跡で、そこから土居宿の街並みに入っていきます。

2010.国道をくぐれば…

2011.東惣門跡から土居宿へ
>拡大画像 出雲街道土居宿跡案内図
●土居宿
土居宿の道沿いには旧街道時代から残っていると思われる建造物はあまり見られません。しかし、主要な施設の跡地には必ずそのことを示す看板があり、旧街道の時代を想像させてくれます。2012の写真は「巡査屯所跡」ですが、現在は「美作警察署土居駐在所」になっていて、建物は新陳代謝していても用途は変わっていないということが読み取れます。そういう視点から古い街並みを見るのも面白いかもしれませんが、それがわかるのも地元の皆様方が看板を立てて歴史を遺そうとしてくれているからです。

2012.巡査屯所跡は駐在所

2013.随所にある看板

2014.土居宿の街並み
●土居宿西惣門
街並みの西端には再建された西惣門があります。三日月藩乃井野陣屋と同様、門のみが再建されているだけですが、木造の本物志向のものです。播磨と美作の国境近くに位置する土居宿では、この場所に関所を設置して国境の警備が行われており、このような門を設置していた宿場町は全国的にも珍しいそうです。土居宿は出雲街道の宿場町の中でもトップクラスの要所であったようで、江戸時代の美作国の宿場町としては規模としても最大級で、大いに繁栄していたと伝えられています。

2015.土居宿西惣門
>拡大画像 土居宿西惣門の案内板
西惣門のすぐ近くに美作土居駅があります。兵庫県側では上月、岡山県側では美作江見とそれぞれ隣の駅で折り返してしまう列車があるため、列車本数は近隣の駅よりも少なく、駅設備も近代化からすっかり取り残されてしまっていますが、開業当時からのものと思われる古い駅舎を持ち、駅舎内に多くの写真が展示されているなど、地元の歴史を伝える活動が盛んな古い宿場町に似合うあたたかな雰囲気の駅です。

2016.美作土居駅
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●地名、人名等の読み方
 ・松尾芭蕉=まつおばしょう

●参考資料
 小谷善守「作州のみち 1 峠・木地師の道」

●取材日
 2014.9.2/9.23
 2015.10.9
 2016.10.9
 2018.1.23/6.13
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