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31.松江城下
大橋川を渡ればいよいよ松江の中心街で、大橋北詰交差点を左折して京店商店街に入ります。旧街道の道筋にして歴史も長い商店街ですが、津山や米子に先駆けてしゃれた雰囲気の商店街に生まれ変わっていて、伝統ある店舗と若い人によると思われる新しい店舗がほどよく混在しています。松江と言えば、京都、金沢と並び称せられる日本の「三大和菓子処」として知られていますが、老舗の和菓子店もこの近辺に多くあります。

4301.大橋北詰交差点を左折

4302.京店商店街

4303.ハートマークを探してみよう
●京橋
京店商店街の北で渡る京橋川は松江城の外堀の役割を果たしていた川です。松江城下のこれらの川は、松江藩が治水と利水と防衛とを兼ねて現在の姿に整備したもので、江戸時代の技術でここまでの河川改修を行ったと思うと、ただただ感服するばかりです。京橋と京店カラコロ広場の脇に堀川めぐり遊覧船の乗り場もあり、水郷松江らしい雰囲気がますます強まってきます。

4304.京橋

4305.堀川めぐりの舟がくぐる
 
4306.京店カラコロ広場
>拡大画像 松江城下絵図
京橋周辺からはいよいよ松江の城下町らしさ、そして観光地らしさも色濃く感じられるようになってきます。京橋を渡ると、すぐ西にはプロに教えてもらいながらオリジナルの小物や伝統の和菓子作りができる「カラコロ工房」もありますが、旧街道の道筋としてはさらに北へ直進します。城下町の町割りを残しているだけに道路はあまり広くはなく、4308の写真のように、あえて自動車一台しか通れない一方通行の道にしているところも見られます。どうせ自動車の通りにくい道なら逆に歩行者にとって快適な道にしようとの意図が読み取れ、車社会にどっぷりと浸かった地方では出色の道づくりと感じます。

4307.カラコロ工房
 
4308.歩道の方が広い
殿町の交差点は東西方向の道路は鉤型にずれていて、いかにも城下町らしい形状です。ここを左折して島根県民会館の前を通り、そして突き当りに島根県庁があります。松江城のすぐ側にある島根県の行政の中心地は、江戸時代にも出雲国の政治の中心地である松江城の三ノ丸でした。県庁前の交差点を右折すれば、内堀ごしに松江城が見えてきます。姫路から200km以上にわたって歩いてきた出雲街道も、一般的な定義においてはついに終点を迎えます。

4309.殿町の交差点
 
4310.県民会館の前

4311.島根県頂
 
4312.ついに松江城に到着
松江城内に足を踏み入れると、城内には松江神社や興雲閣があり、それらの名所を見ながら城の構造をじっくりと見学できます。近年になって興雲閣のリニューアルも完成し、現存しない大手門も復元に向けての資料探しに懸賞がかけられたりするなど、ただ天守閣を見せるだけでなく、松江でも随一の名所をさらに活用する取り組みも進行中です。

4313.松江神社
 
4314.興雲閣
>拡大画像 松江城の案内図
●松江城1
松江城は出雲街道歩きの出発点である姫路と同様、全国でも稀なほどの城郭遺構が残る城で、「千鳥城」の異名を持つ天守閣は平成27年(2015年)に地元に悲願である国宝への指定がなされました。松江城は色々な「100選」に選ばれる名城ですが、現存天守は全国に12カ所しかなく、それ以上の価値を持つことは数字の上でも明らかです。

4315.松江城天守閣

4316.石垣も見事
 
4317.定番と違う角度から
●松江城2
私などが語るまでもありませんが、現存天守が全国に数多い復元天守とは明らかに違う点は、その内部で当時の建築技術を間近に見られる点だと言えます。4318の写真は松江城のパワースポットとして知られるハート形の木目ですが、あえて場所は記しませんので、それを探しながら現存天守の魅力に触れていただきたいと思います。その他にも防御上の細かな工夫を見たり、最上階から市街や宍道湖の眺めを堪能したり、江戸時代の出雲街道の最大の目的地であった松江城は、現在、そして未来の観光ルートとしての出雲街道としても、最大の目的地と言える魅力があります。

4318.ハート形の木目

4319.見事な木造建築
 
4320.最上階からの眺め
松江城の東側の通りは観光地としての整備が進められており、堀川めぐり遊覧船ののりばの他、単なる土産物屋というレベルを超えて島根県の名産品が販売されている「島根ふるさと館」や、最新の設備で松江の歴史を学べる「松江歴史館」などがあります。また、4323の写真の「雨粒御伝」のように街歩きをさらに楽しめるような工夫も見られます。いずれも近年になって整備されたものですが、景観を破壊しないようよく配慮されており、歴史や文化に恵まれた都市だけあって、これらの取り組みにもセンスの良さを感じます。

4321.島根ふるさと館
 
4322.松江歴史館

4323.松江歴史館の雨粒利伝
 
4324.電線地中化で景観良好
>拡大画像 雨粒御伝の案内板
●塩見縄手
松江城の北側は「塩見縄手」と呼ばれ、堀沿いに江戸時代からの屋敷群がとてもよく残っており、松並木も見事です。内部が見学可能な江戸時代の武家屋敷や田部美術館、そして小泉八雲(ラフカディオ‐ハーン)の旧居があります。これらも私などが紹介するまでもない名所で、明治時代に英語教師として松江に赴任し、日本文化研究の第一人者となった小泉八雲が松江を気に入り、この場所に居を構えたことも大いに納得できるような街並みです。

4325.松の巨木と武家屋敷

4326.連続する屋敷群
 
4327.小泉八雲旧居
>拡大画像 塩見縄手の案内板
>拡大画像 小泉八雲旧居の案内板
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●地名、人名等の読み方
 ・京店=きょうみせ
 ・興雲閣=こううんかく
 ・千鳥城=ちどりじょう
 ・塩見縄手=しおみなわて
 ・小泉八雲=こいずみやくも

●参考資料
 樹林舎「定本 島根県の歴史街道」

●取材日
 2015.7.29
 2017.4.21
 2019.2.27
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