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2-2.三日月駅→乃井野→新宿→播磨徳久駅
佐用エリア この区間の地図
<2-1.西栗栖駅→相坂峠→三日月宿→三日月駅 2-3.播磨徳久駅→佐用宿→佐用駅>
三日月駅付近は現在の三日月の市街の中心になっています。国道の一本北にある旧道沿いにも佐用町の三日月支所や郵便局などが集まり、旧三日月村の道路元標もこの旧道沿いにあります。

1601.旧道沿いの市街

1602.三日月村道路元標
大川橋で志文川を渡ると、旧街道の道筋としては左折して国道沿いに戻っていく形になりますが、ここはぜひ三日月のもう一つの歴史の名所と言える乃井野地区へ寄道してみましょう。志文川を渡って右折、次いで2つ目の交差点を左折すれば、まずは平成30年(2018年)に再移築され、先述した西法寺から約140年ぶりに戻ってきた乃井野陣屋の表門に迎えられます。

1603.大川橋を渡って右へ

1604.再移築された表門
>拡大画像 三日月藩乃井野陣屋表門の案内板
●乃井野集落
乃井野の集落に入れば、交差点がすべて三差路になっており、「○○町」等と書かれた新しい石碑が随所に立っています。この町割りは城下町そのもので、特に中之町では古くて立派な門を構えた家が連続しており、一見の価値があります。老朽化が目立ち、朽ちかけているところも多いのが気にかかりますが、近年、乃井野地区では表門の再移築だけでなく、「武家屋敷マルシェ&ウォーク」というイベントも開催され、古い陣屋町を活かしたまちづくりが力強く進められています。

1605.門を構えた屋敷が連続

1606.交差点はすべて三差路

1607.このような石碑が多数
●三日月藩乃井野陣屋
その乃井野集落から少し上ると、再建された三日月陣屋の門があり、三日月乃井野陣屋館となっています。再建とは言え、木造の本物志向のもので、その大きさも含めて圧倒的な存在感があります。案内図を見れば、三日月は森氏1万5000石の「三日月藩」があった地であり、その城(を代替する陣屋)がここにあり、今では田園の方が目立つ乃井野集落もその城下町として武家屋敷が建ち並んでいたことがわかります。また、三日月陣屋のすぐ西にある列祖神社という神社の境内には藩主庭園跡、旧藩校広業館の建物(移築)があるなど、三日月藩という江戸時代の小さな藩の歴史を物語る史跡は乃井野集落近辺に集結しています。

1608.三日月藩乃井野陣屋

1609.藩主庭園跡

1610.旧藩校広業館
>拡大画像 三日月藩乃井野陣屋の案内板
>拡大画像 藩校広業館の案内板
三日月藩乃井野陣屋の付近には涸れているとは言え「播磨十水」の一つに数えられる落葉の清水や立派な八幡神社もあり、この場所が地域の中心になっていた時代があったことを感じさせます。

1611.落葉の清水

1612.日岡八幡神社
三方里山の西側を回り込むように国道に戻っていく途中に「味わいの里三日月」という施設があります。特産品が販売されているほかトイレやレストランもあり、定休日や営業時間の制約はあるものの、道の駅的にも利用できます。また、「味わいの里三日月」に隣接してルピナス園があり、5月中旬〜下旬頃には色とりどりの花が楽しめます。陣屋館の前にも小規模ながらルピナス園があり、花の名所として育てようという地元の心意気が感じられます。4月の桜、6月のアジサイの名所は全国あちこちにありますが、その中間の時季に咲くルピナスの名所は珍しく、地域おこしのアイデアとしても感心させられます。

1613.味わいの里三日月

1614.ルピナス園
国道に復帰すると、三日月の市街は終わっていますが、しばらく西に進むと、播磨科学公園都市への北からのアクセス路となる県道28号が分岐する市ノ上交差点付近にはコンビニや飲食店もあります。その市ノ上交差点の手前ではわずかに旧道らしき道を歩ける区間があり、水路に「いぼ神さん」という小さな社があります。

1615.国道に復帰

1616.わずかに残る旧街道らしき道

1617.いぼ神さん

1618.市ノ上交差点
市ノ上交差点から300mほどでまた斜め右へ旧道が分岐が分岐し、新宿の集落へ入っていきます。現在では旧道沿いに商店もなく、小学校も閉校されているものの、ここは旧三日月町の西部にあった旧大廣村の中心と言える集落でした。道沿いには古いものを含む民家が並んでいるだけでなく、道路元標も残されていて、かつては多少なりとも繁栄していたことを想像させます。

1619.斜め右で新宿へ

1620.旧道沿いの家並み

1621.大廣村道路元標

1622.道なき道を抜けて宝篋印塔へ
●新宿の宝篋印塔
新宿には県指定の文化財になっている宝篋印塔があります。この宝篋印塔は嘉慶2年(1388年)のもので、出雲街道のような旧街道であっても、現存するほとんどの史跡は江戸時代以降のものなので、南北朝時代のものがそのまま残されているのは貴重な例と言えます。しかし、ごくわずかの寄道とは言え、辿り着くためには1622の写真の地点から民家の隙間に入り、行き止まりに見えるところからは溝の中を歩き、さらに民家の裏手の山に少し入るという順で道なき道を抜けていかなければなりません。とは言え、このことは中世の出雲街道が現在の国道の裏にある旧道のさらに裏を通っていたという道筋の変遷を想像させてくれるものであり、その意味でも興味深い史跡と言えます。

1623.新宿の宝篋印塔
>拡大画像 新宿墓地宝篋印塔の案内板
新宿集落の旧道が終わる目前、1624の写真の地点では斜め左に細道があり、そちらから国道を横断すれば新宿廃寺跡につながっていくことからも、そちらが古い道筋と思われます。この辺りから国道は旧三日月町と旧南光町の境である卯ノ山峠への上り坂となっており、国道を少しだけ上れば六地蔵があります。国道を横断し、1626の写真の地点で写真左の2本の木の間にある直進方向の土道に入れば新宿廃寺跡です。

1624.ここを斜め左へ

1625.国道沿いの六地蔵

1626.木の間から新宿廃寺跡へ
 
●新宿廃寺跡
新宿廃寺跡は礎石が3つ残るだけの場所ですが、周辺の出土品等から奈良時代に建てられたものと推測され、平安時代に編纂された延喜式にも記載されている「中川駅」もここにあったという、まさに古代の佐用郡の中心であったと言える地です。当サイトは主として近世以降の街道としての出雲街道を取り上げていますが、先述した中世(南北朝時代)の宝篋印塔、そして古代の中川駅と、いつの時代も出雲街道が重要な交通路であったことを示す史跡が新宿集落周辺には集中しています。

1627.新宿廃寺跡
>拡大画像 新宿廃寺跡の案内板
新宿集落を出ると、旧街道は卯ノ山峠を越えて旧南光町に入ります。しかし、その道筋を引き継いだ国道には歩道がなく、峠道に旧街道らしい史跡もあまりありません。一方で、姫新線や志文川沿いに南寄りのルートを歩いても、わずかに遠回りにはなりますが旧南光町の中心地である徳久に至ることができるので、ここではあえて街道を外れて志文川沿いのルートをご紹介します。旧三日月町の西部では志文川の堤防に桜が植えられており、季節にはとても美しい道です。

1628.南寄りを歩くことにします

1629.志文川堤防の桜
●南光のひまわり畑
旧南光町に入って宝蔵寺地区には有名なひまわり畑があり、約26.5万本ものひまわりが植えられています。約25年前に始まったというこのひまわり栽培は、特産品づくりと観光名所づくりを兼ねた上、あまりお金もかからない地域おこしという点においても、すばらしい事例だと思います。また、ひまわり畑は旧南光町内の6カ所にあるため、旧街道の道筋にこだわって国道沿いを歩いたとしても、林崎地区で千種川沿い(上流側)に少し寄り道すれば、ひまわり畑を楽しめます。さらに、各地区で開花時期をずらしているため、7月にはいつでもどこかの地区でひまわりを楽しめるようになっています。

1630.宝蔵寺地区のひまわり畑

1631.車窓からも楽しめます

1632.ひまわり祭(林崎地区)
景色の良いところを求めて国道を離れましたが、まっすぐ行くと出雲街道の道筋からどんどん離れていってしまうので、小山という集落の南にある1633の写真の交差点(標識は志文川南岸の安川集落を案内)で忘れず右折しましょう。この辺りの道は当然ながら国道に比べると整備されていないので、交通量が少ないと言っても歩道のない区間もあり、案内標識もほとんどないので注意してください。小山集落から小さな丘を越えると、千種川を渡って播磨徳久駅に出てきます。

1633.ここを右折

1634.小山集落付近

1635.千種川を渡る
 
1636.播磨徳久駅
<2-1.西栗栖駅→相坂峠→三日月宿→三日月駅 2-3.播磨徳久駅→佐用宿→佐用駅>
  • ●地名、人名等の読み方
    •  新宿=しんじゅく
    •  志文川=しぶみがわ
    •  列祖神社=れっそじんじゃ
    •  広業館=こうぎょうかん
    •  市ノ上=いちのうえ
    •  大廣村=おおひろむら
    •  嘉慶=かきょう
    •  南光町=なんこうちょう
    •  卯ノ山峠=うのやまとうげ
    •  延喜式=えんぎしき
    •  中川=なかつがわ
    •  徳久=とくさ
    •  宝蔵寺=ほうぞうじ
    •  林崎=はやしざき
          
    • ●関連ページ       
      • ●参考資料
      •  たつの市立埋蔵文化財センター図録10「因幡街道 〜山陰と山陽を結ぶ道〜」
      •  佐用ハイキングコース選定の会「佐用ハイキング34コース」
            
      • ●取材日
        •  2014.8.26
        •  2015.4.8/7.14
        •  2016.5.4
        •  2017.2.28
        •  2018.5.22
        •  2019.2.10/6.24
        •  2021.7.17
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