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6-1.中国勝山駅→神代→八反バス停
真庭西部エリア この区間の地図
<5-3.久世駅→勝山宿→中国勝山駅 6-2.八反BS→美甘振興局前BS>
勝山は姫路から出雲までのほぼ中間点ですが、「起承転結」に例えるならば、ここからはまさに「転」の展開です。姫路から長く付き合ってきた姫新線ともついにお別れで、公共交通機関と言えば1日4往復の真庭市コミュニティバス「まにわくん」(新庄・久世ルート)しかなく、コンビニも中国勝山駅近くの店が岡山県内最後の店で、鳥取県に入って根雨まで40km近くの間には全く存在しません。飲み物の自動販売機ですら数kmに一つもないような状況になりますので、勝山市街でそれなりの準備してから歩くようにしましょう。
なお、ここから神代地区までの間、国道は屈曲する新庄川の流れに沿って南西に迂回しているのに対し、その区間をショートカットする県道321号があり、そちらが出雲街道のルートとなっています。3201と3202の写真は旧街道に沿って歩いていれば通らない場所ですが、この2点は押さえておいた方が良いので掲載しておきます。

3201.岡山県のコンビニはここが最後

3202.案内標識には従いません
勝山の町並み保存地区内の山本町には、元禄、嘉永、そして平成と約150年ごとに立てられた三世代の道標があり、旧街道の道筋はそこから神橋で旭川を渡り、次いで国道313号を横断します。国道313号は犬挟峠を越えて倉吉を目指す道路で、沿線には露天風呂「西の横綱」の湯原温泉、「西の軽井沢」と呼ばれB級ご当地グルメのひるぜん焼そばでも知られる蒜山高原、鳥取県に入れば関金温泉があり、観光地の多さから「ロマンチック街道313」として売り出されているルートです。

3203.三世代の道標

3204.国道313号を横断
国道313号を横断すると西町に入り、緩やかな坂道を上っていきます。道沿いには石段が印象的な鈴神社などがあり、美保神社のある3207の写真の地点で県道321号に合流します。また、この近辺では平成25年(2013年)以降に下水道工事が行われましたが、工事が終わった場所では「出雲街道勝山宿の会」の要望により、「出雲街道」の銘が入ったマンホールの蓋が設置されています。

3205.西町は家並みが続く

3206.鈴神社

3207.美保神社の先で県道321号へ

3208.「出雲街道」のマンホール蓋
しばらく行けば県道321号は4t車以上通行不能の狭い道になり、こういった事実からも勝山を境に雰囲気が変わってきたことが理解させられます。本郷川の谷を緩やかに上っていき、次の布組集落はずいぶん田舎に来たと感じるような雰囲気ですが、集会所の裏にある小社群には比較的新しい屋根も架けられており、現在も大切に守られているのがわかります。布組集落を出て300mほどで次は名草集落に入ります。

3209.大型車通行不能の険道でも…

3210.れっきとした出雲街道の道筋

3211.布組集会所の裏の小社群

3212.名草集落へ
●名草〜寺河内の旧街道
名草の集落内にはまた平成の道標があり、左折が案内されています。左側にあるのは民家1軒だけで、正直、間違いではないかと疑ってしまいますが、そちらに入ってみると、谷の南側に続く道には軽トラックが日常的に通行しているとわかる轍もあり、1kmほどでちゃんと次の寺河内集落の近くに抜けていけます。平成の道標がなければまず入ることはないでしょうが、旧街道の風情を楽しめる上、時に森の中に入り、時に谷の景色が開ける眺めも気持ちの良い道です。

3213.左…って民家1軒だけですが?

3214.谷の南側に道は続く

3215.途中にある念仏供養塔
本来の旧街道は谷の南側をずっと辿っていたと思われますが、最後に大きくカーブして谷の北側に移り、鋭角に曲がって県道321号に戻ります。ここからは道路の幅員といい、カーブの具合といい、確かに大型車には厳しそうに感じられる県道で杉ヶ乢という峠を目指します。

3216.県道に戻る

3217.杉ヶ乢へ上る県道県道
杉ヶ乢の標高は330mを超えており、この先もっと標高の高い場所に行くとは言え、姫路からここまでのどの峠よりも標高が高くなっています。県道321号は平成30年7月豪雨災害のため約9カ月にわたって通行止になっていましたが、その復旧時にどこから移設してきたのか、安永8年(1779年)の地蔵が峠地蔵として復活しています。また、峠を越えたすぐ先に石垣が残されており、旧街道時代にあったという茶屋の跡ではないかと想像させてくれます。

3218.峠地蔵が復活した杉ヶ乢

3219.石垣が残る
杉ヶ乢の峠道の西側は短く、ほんの200mほど下ると平成の道標があり、また旧街道に入っていきます。途中には念仏供養塔もあり、眼下に見える神代地区の眺めも良い道ですが、歩行困難なほど草に埋もれてしまっていることもあり、ここを歩けるかどうかはタイミング次第です。通れなかった場合は県道321号で国道に出た後、南に少し戻る形で神代バス停まで迂回してください。

3220.斜め左へ

3221.神代地区へ下る

3222.念仏供養塔

3223.脇を抜けよう
集落に入ると道も舗装されていますが、狭い道沿いに古い家屋が並び、旧街道らしい風情が健在です。下り終えると国道を渡りますが、久世、勝山という真庭市の主要な町を通り過ぎたうえ、勝山からここまでの間でまさに主要地方道と言える新見方面への県道32号も分岐しているので、交通量も激減し、ローカル国道という雰囲気に様変わりしています。神代バス停のすぐ北の交差点を左折して県道459号に入ります。

3224.神代の旧街道

3225.神代バス停の北を左折
県道459号を歩くのはわずかで、またすぐに平成の道標に従って右折し、神代地区内を北上していきます。神代は新庄川の谷が少し広がりを見せる小盆地になっていて、伝統的な棚田の風景こそ見られませんが、よく整備されよく手入れされた田園風景も美しいです。3227の写真の右カーブの先で国道に戻ります。

3226.神代の田園風景

3227.美しい田舎の村です
●神代の四季桜
神代地区の北端には四季桜という桜があります。案内板にある後醍醐天皇にまつわる故事はいかにも嘘っぽい「伝承」ですが、年に2度花を咲かせる珍しい種の桜が名所になっているのは紛れもない事実で、特に晩秋には周辺の木の紅葉とのコントラストが見事です。

3228.神代の四季桜
>拡大画像 神代の四季桜の案内板
●龍宮岩と鬼の穴と鬼清水
神代の集落を過ぎたところは石灰岩が露出した地質になっていて、新庄川には奇岩の龍宮岩が、また、その東には鍾乳穴の鬼の穴があります。石灰岩の奇岩と新庄川の織り成す景観は、出雲街道でも屈指の景勝地と言える場所です。また、龍宮岩から少し下流に行けば、松平不昧公が愛飲したと伝えられる鬼清水もあり、少しだけ川の中を歩かなければ辿り着けませんが、美味しい名水です。なお、ここには駐車スペースも設けられており、この辺りでは貴重なトイレも地元自治会によって日々きれいに清掃されているため、山間部に入った出雲街道を歩くためにも重要な拠点となります。

3229.龍宮岩

3230.鬼の穴

3231.鬼清水
>拡大画像 神代の鬼の穴と龍宮岩の案内板
龍宮岩の公園を過ぎ200mほど行くと、斜め右に草に埋もれた道が分岐しており、よく見れば出雲街道の案内看板が同様に草に埋もれた状態でその道を指しています。もちろんこの道が旧街道ですが、強引に進んだとしても断崖の上で道が崩壊してしまった箇所があり、危険で歩けませんので、ここは無視して国道を進みます。しばらく行けば赤坂の岩壁と呼ばれる切り立った崖が見えますが、落石がひどいため、その下を通る国道も近年になって付け替えられています。

3232.ここには入らない

3233.赤坂の岩壁
次の八反というごく小さな集落のところで同じく山の方を指す看板がありますが、入口に設置してある案内板、旧街道ウォーキング用に設置されたと思われるトイレも長年放置されている雰囲気です。旧美甘村南部における江戸時代の旧出雲街道は険しい山の中腹を通り、「美甘三里は五里ござる」と言われた難路です。ここからはその道を歩いていくことも可能ですが、案内板やトイレの放置ぶりから想像できるように、現在では誰も通らず保全もなされていない状態です。

3234.山の方が案内される

3235.放置されているトイレ
>拡大画像 美甘の出雲街道の案内板
<5-3.久世駅→勝山宿→中国勝山駅 6-2.八反BS→美甘振興局前BS>
  • ●地名、人名等の読み方
    •  八反=はったん
    •  根雨=ねう
    •  神代=こうじろ
    •  犬挟峠=いぬばさりとうげ
    •  蒜山=ひるぜん
    •  布組=ぬくみ
    •  名草=なぐさ
    •  寺河内=てらこうち
    •  美甘=みかも
          
  • ●関連ページ       
  • ●参考資料
    •  出雲街道勝山宿の会「出雲街道(1)ガイドブック」
    •  小谷善守「出雲街道 第2巻 勝山−久世」
    •  岡山県文化財保護協会「岡山県歴史の道調査報告書第四集 出雲往来」
          
  • ●取材日
    •  2014.11.12
    •  2015.4.12/9.5/11.16
    •  2016.10.23
    •  2017.11.4
    •  2019.4.10
    •  2020.11.8
    •  2021.11.13
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