出雲国と言えば、神話の時代からの歴史が今も息づいている場所で、前回は神話ゆかりの場所をご紹介しましたが、続いては古代の史跡です。出雲国は全国でも唯一「風土記」が完全に残されている国であり、古代の歴史研究もよく進んでいます。
国道9号の竹矢交差点の側には日本最古の大臣とされる武内宿禰を祀る武内神社がありますが、竹矢交差点から西へ県道247号沿いを辿っていくと、広々とした意宇平野の田園地帯の中に出雲国府跡、出雲国分寺跡などの古代の史跡が集中しています。写真ではわかりにくいのですが、十字街と推定される交差点や天平古道と呼ばれる古代の道も埋もれており、古代条里制の遺構が残されているそうです。
これらの史跡は大和を中心として日本が統一国家としての道を歩みつつあった時代のもので、現在でもどことなく奈良県の平城宮跡や藤原宮跡に似た雰囲気を感じるのは決して偶然とは言えないところでしょう。
この付近は松江市にありながら、後世の開発はあまりなされなかったため、良好に史跡が残されることになるとともに、気持ちよく歩いて史跡めぐりができる場所にもなっています。北の丘沿いには真名井の滝もあり、小さな滝とは言え、ちょっとした名水スポットにもなっています。 |