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7.真庭市勝山神橋の道標
勝山の町並み保存地区の中、神橋の東詰には元禄2年(1689年)、嘉永5年(1852年)、平成24年(2012年)の3つの道標があり、城下町勝山において旭川を渡るという出雲街道でも要所と言える場所で、約160年ごとに道標が置かれ、歴史を刻んでいます。

元禄の道標は前々回の連載でご紹介した美作国に現存する元禄道標の一つで、行先の案内はシンプルに南の面に『是より右ゆばら道』とあるのみで、他は方角のみの表示です。意外なことに、メインであるはずの出雲街道についての案内がありません。
嘉永の道標は3つの道標の中でも大きく、文字も深く刻まれ、書体も現代人にも読める道標です。『西 右 京大坂道』『南 左 雲伯往来』『東 → 大仙倉吉道』という案内もとてもわかりやすく、この160年間に道標製作技術がハード・ソフトに進歩したことがわかります。
最後に平成の道標は「出雲街道勝山宿の会」が私達のような出雲街道歩きをする者のために設置してくださったものです。道標上部に矢印で進むべき方向が旧街道としての出雲街道の道筋を示しています。

ちなみに元禄の道標も嘉永の道標も移設されていたものが本来の位置に戻されたという経緯があります。失われかけた歴史を取り戻し、新たな観光資源として活用していく。三世代の道標はそんな市民の地域の歴史に対する思いも語りかけてくれる道標です。

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令和2年(2020年)6月15日 Facebookページに掲載
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